無題
(契先生への貢物です。 タイトルはただいま決めて頂いておりますので暫くおまちくださいませ。)
「炎で燃やし尽くす事が私の唯一の望みなのですよ あなたにはわからないでしょうね。
特に人体がいい。わかりますか?血が沸騰し骨が砕け心臓が煮え滾り破裂する血管が
裂け 人は一番思いもしなかった死に目を見張り恨みの声をあげる舌が膨脹して黒く
濁った舌が燃えはじめ、絶叫するそのなかで眼球がはじける・・あの声。ぞくぞくする。
女を抱くよりもずっと いい・・」
キンブリーの高ぶった声を聞きながらグリードはうんざりと目を閉じた。
「錬金術師と知っていて声をかけたが、中身は俺達ホムンクルスよりわりぃな少なくとも
俺は快楽の為だけに殺したりはしねぇ」
「おや私とは違うと仰る。同じですよ、求める事は。貴方は生きるため、
自分を出張する為に狩る。私は家畜の悲鳴が生き甲斐でやる。」
「おなじです」
ねっとりとしたこえでいいながらキンブリーは相手の頬に指をのばす
「俺に触るな!もういい、錬金術師でもイカレている奴がいるとわかっただけで十分だ」
嫌悪のあまりか撲り倒しそうな眼差しでキンブリーを見ながら手を払うグリード
「脅えなくていいですよ。今は燃やさない。炎は気まぐれさもありましてね」
「なに?」
不吉に低くなった声に、サングラス越しにキンブリーを見つめたグリードは生温かい感触が唇に灯ったのを感じ絶句した
「このやろう」
即座に上がる呻き声、殺してやると喉の奥で唸り声を上げたグリードはキンブリーの次の言葉に背筋を凍らせた
「いいじゃないですか、たまには。貴方がたとおなじ獣が獣を求めただけの話です。殺されても本望ですよ。」
「正気か」
挑戦的に唇を言葉を叩きつけるキンブリーの目を見たままグリードは、狂った求愛と
言葉の毒に動けなくなったかのように、身動き1つしないままだった。この愛は知って
いる。何百年も昔封印される前から、そして彼が目覚めた時からがんじがらめに
縛りつけていた幾重もの囁きそのもので
『グリード あなたはここから逃げる事が出来ない。永劫に。ホムンクルスでいる限り、誇り高い意識がある限り ね』
囁きながら唇はなおも求めるように、グリードの硬く結ばれた唇をこじ開け舌を絡める
「離せ・・」
かすれる声、ナゼオレハコイツヲ殺サナイ?自問自答するグリードの心に、ドルチェットや
信頼する部下の眼差しが振り返りジッとグリードを見つめている。哀れな野良犬の群、
疾走する狼の群れのトップの俺が なぜ
「抵抗しないですね」
唇を離すと予想外だなと呟く相手を俺は黙って眺めた。俺達が求めている人の魂はこんなにも、脆いものなのか、ヒビが入りやすいものなのか
「なぜ笑っているのですか」
苛立った問いかけに俺ははじめて自分が唇を上げて笑っていることに気がついた
「いや 惜しいぜ、おまえがホムンクルスなら」
俺はこいつを仲間に入れただろうか。いや、結局弾かれてしまうだろう。狂った獣は粛清されてしまう。軍でも、どこでも
「不思議な人だ、貴方は。私を殺しもせず、嬲りもしない」
「はっ 馬鹿な話しだぜ、だがな」
グリードは自然に相手の腕を掴むと引き寄せ激しく唇を重ねると地べたに引き摺り落とした
「俺に思い出させた礼をしてやるぜ、錬金術師」
どこかで歪んだ鐘の音が重く響き出す。二人を呪うように、誉め称えるように
「なにをするのですか・・この野良犬!」
焦るキンブリーに俺は獰猛に笑いかけながら首筋に噛み付くようにキスをする。
「して欲しかったんじゃねぇのか?生きている証、とやらをよ」
「それはそうですがっ」
組敷かれた腕の中で心底不満そうに言葉を詰まらせる獲物を見て、
俺は始めて喉を鳴らして笑い出す
「遊ばせろよお前の身体で?」
信頼も愛情もないゲームが始まる
身体と命を賭けて
END
あとがき
てなわけでセンセからもらったのでそのままだーっと二日思いついたまま
かいてみますた えー合言葉は読んだら溝に!でよろしくっ(ダッシュ
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