Inside-out

なんだよ なんであんなに無防備な顔でキスできるんだお前は
低い声に エンヴィも逆上していることにエドは気がつく

なんだこいつ つぶやくエド

エドの気持ちが届いたかのように
さらに瞳に凶暴さを増すエンヴィ

エンヴィの持った剣がエドの首筋に軽く刺さり
エドは低くうめくがおびえていない
反対にエンヴィを睨み返す
そう その目だ
その目がほしいんだおちびちゃん
人懐こい笑顔だが目が笑っていないエンヴィ
そのまま エドのおでこにじぶんのおでこをぺたりとあてる

獲物は おびえてばかりじゃ駄目なんだよね・・?
そうだろ
紫色の瞳と金色の瞳がぶつかり合う
エンヴィ やれやれしかたないなあ とあきれたように笑うと

エドの髪を掴んでいた指を離し、地面に触れ
エドの血を指ですくう
そのまま エドの左顔に擦り付け
その指を
食えよ といって無理やりエドの口に押し付ける
首の痛みと腹部の出血に悲鳴を押し殺すエド
エドの口元が口紅を塗ったかのように赤く染まる

これは 俺からのプレゼント
かすむ目を必死にすえて吐き出すように言うエド

エンヴィお前は狂ってる

いや 違うね歌うように言うエンヴィもともと俺は作りそこないのいきものだ

本当に狂えるのは魂と暖かい血をもつ人間だけなのさ

もうすぐ来る軍のお兄さんみたいに
また激しい瞳をするエンヴィ
あのお兄さんにも なにか等価交換をしてもらわなきゃね
なにがいい?おちびさん
腕を組んで余裕のエンヴィ

さらにぞっとするエド やめろ!と叫ぶ声はかすれてでない

屋上の金属ドアを激しく叩く音

鋼の!鋼の無事か!
不安に引きつる声

惜しいなあと一歩だったのに
歌うようにいうと エンヴィは素早くエドの唇にまた
唇を重ね舌を卑猥に絡ませた

反射的に噛み付くエド

やめろ

エンヴィを自分でも意外な力で突き飛ばす

じゃ これは 手間賃気にせずそのままの勢いであとづさるエンヴィそして これはおちびさんとの
またあうための契約

自分の赤く染まった口元を指先で押さえて
本当にうれしそうに微笑むエンヴィ

その姿を見て背筋が凍りつくエド

続きは今度だね おちびさん
鋭い目で扉を一瞥して

消えるエンヴィ


鋼の!一瞬息を呑む声がしたあと
鋼の!無事か 意識はあるか!という
暖かい声と体温にくるまれるエド

意識を失いかける

エドの脳裏には微笑むエンヴィの顔がこびりついていた

エンヴィ お前は間違っている つぶやくエド
大佐の顔がぐにゃりとまがって 堕ちて行く意識の中つぶやく

魂のありかたなんて誰にわかるもんか
去っていくエンヴィの背中に語りかけるエド
錬金術師になったとき
俺にだってもう 魂なんてなかったさ
エンヴィ・・・

そのまま 意識はにげていった


[ Inside-out:・2 ]




Top | SS | Okashi | Illust | WJ+Blog | Link | Prof.

Copyright (C) 2005 Marimotareboo. All Rights Reserved.

素材:
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送