孤独の黒猫


大佐!探しました

少尉の声でわれにかえり振り返る

駆け寄ってくる少尉
遠くに車とハボの姿

やっぱり一人だと心配なので迎えにきました

ちょっとむくれる大佐
私は子供ではない

傘はどうしたんですか?大佐ずぶぬれじゃないですか
言われて傘をエンヴィに取られ
紙袋までずぶぬれになって立ち尽くしていたことに
気がつく大佐
ああっ 買出しが食事が!と
あわてて紙袋を持ち上げて1回転する
あきれたように見つめるリザ
それでもなんとか 丁寧に

心配なのでお迎えにきましたと伝える
はっとわれに返ったロイは ごほんと咳をしてごまかし
率先して歩き出す
リざもちらりと後ろを見て
大佐のあとに続くが

大佐の見つめていたあたりには何もなかった

あれはいったい・・なんだったんだ・・
つい歩調を荒くしながら低くうめく大佐


闇の川の側
さらさらと流れる川

たおやかな影を持った美女と
傘をさした少年の会話

女性は少々あきれた口調、しかるようなそのくせ
言葉の端々におもねるような気配がある

エンヴィ いい加減におもしろそうな
おもちゃに手を出すのは
やめなさい あの方の計画にさしさわりがでるわ

あの方といったときに 口調におびえがあるのはなぜだろう
エンヴィと呼ばれた男の子の口調におびえはない
むしろあっさりした様子

いいんだ たまには大好きなおちびちゃんいがいにも
いじりたくなるんだよ あんなオジンのことは
ほっとけばいいのさ

川に何かやわらかいものを投げ込むエンヴィ
大きな水音がたったあと 波紋が広がってやがて静かになる


さあ 新しい遊びをしにいこうか・・
口調に笑いがにじんでいる
振り返るエンヴィ
口元に笑み

エンディングBGMオン

[ 孤独の黒猫:・3 ]




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