無題

印のなかで 死に絶えようとしている男
腕もすでに崩れ サングラスもはずれ
体中が腐り堕ちて悶え苦しんでいた

エドは混乱して見下ろしていた

「お前は死なないんじゃなかったのか」
混乱して剣先を下げ回らない舌で言うエド

「俺ノシにバしょくラい俺に選ばせろよ」

にやりと笑い回らない舌でつぶやくグリード

「聞けエど 俺の最期の心残りは」

赤い液体で汚れた床のに
膝を突きグリードの顔に顔を近づけるエド

いきなり グリードはまだ残っている腕で
エドを引き寄せ押し倒した

「なっ」

くるとは思わなかったエドは
グリードの吐いた大量の赤い石の液体の中に
滑り落ちグリードの下になる
上にのしかかってエドの腕をらくらくと
腕で固定して馬乗りになるグリード

『ま こういうことサ ヤらせろよな?』

濁った音を口の中で転がしているのに
妙にうれしそうに言うグリード
無理やりエドの唇に
鋭い音を立てて噛み裂いた

「・・・ぃたい!」
思わず叫ぶエド
じんわりと目の端から涙が零れ落ちる
口の端から血がたれてエドの肌につく

腐りかけた肉のにおいにもがくエド
肩の肉がぼろりと落ちてエドの顔に
腹の肉がエドの腕に降り注いで
陰惨な赤と白の模様を描く

腐り始めたのか血のにごったような
甘いような香りがあたりに漂い始めていた

「いやだ!いや・・」

顔をゆがめてもがくエド

「騒ぐなよ動くと肉と骨が泣き別れして
結構いてーんだよ」

エドの首筋に腐った顔を寄せながら
器用にウインクをしてつぶやくグリ

「こんなの こんなの本望じゃないだろ」

エドの目に天井に移ったグリードを封じるために
書かれた印が写る

上半身を裸にされたエド
鍛えた身体に赤い液体が染み付いてまとわりつく

急に抵抗を止め動かなくなったエドに
のろのろと白骨化の始まった
顔を上げるグリード

『なんだ?』

寂しそうな笑顔でグリードを見るエド
「わかった お前のすきなようにすればいいさ」
そのままごろんと両手を広げ
抵抗をやめるエド

グリードは 何かを悟ったような顔の
エドに骨の手を伸ばす

すでに空洞になったサングラスの奥の目を
みながらグリードのさまよう手をり自分の顔に
触らせるエド
ふっくらとした顔や唇を飢えた骨が這い回る
なるべく眉をしかめないように必死な顔をするエド

「ごめん 俺の力がたりないから・・ごめん」

ふっくらした赤い唇に骨の指を誘導してそう動かすエド
指が不器用にエドの唇を這い回り
意味がわかったのかぴたりととまった

グリードの顔はすでに骨が灰になりかけ
崩れ始めていた

[ 無題:1・]




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