エンヴィ:・・あ・・雪・・いつの間に積もってたんだろう(窓の外見
エンヴィ:俺、初めて雪みたんだ・・。(窓に寄り
ロイ: そうか?私は雪は嫌いだ 寒いし冷たい
ロイ: (エンヴィが窓によるのをとめないで見送る
エンヴィ: 俺には・・「寒い」も「冷たい」って感覚も
わからないし
それに・・(ちょっとためらう
エンヴィ:「愛してる」という心もわからない。
(窓をあけるエンヴィ とたんに舞い込んで来る白い雪と
凍りつくような風を気にする様子もなく
そのまま手を差し伸べて雪をかき回し つかむようなしぐさをするエンヴィ
舞い上がる長い黒髪とほっそりした背中をみながら 無言のロイ
紙がバタバタと音を立てる以外は部屋の中は
ひっそりと冷え始めている
ロイ: 何もいわないが 眉根を寄せてかなり不機嫌そうな顔になっている
エンヴィ:(ロイの様子に気がつかず)
ねぇ・・雪ってなんにも言わないで落ちていくだけなんだろ
エンヴィ:暖かいところでは生きられない
日のさす場所にはでられない
歌いながら雪を手招きしては
指を曇った空に舞わせるエンヴィ。
エンヴィ:・・ロイ 俺のことを馬鹿だと思うだろ
(窓枠にたまった雪の上に手を置き動かない
たちまちエンヴィの手から溶けていく雪
ロイ:もうやめてくれエンヴィ
(たまらず近寄るとエンヴィの背中を力強く抱きしめる
エンヴィ:ロイ?・・(抱きしめられたまま
そっと冷えた手でロイの腕を押さえて笑い
エンヴィ: そっとロイの腕に凍えた唇を当てるエンヴィ
ロイ: エンヴィの首筋に顔を埋めたまま何もいわない
エンヴィ:でもね ロイ 俺は雪がうらやましい
だって 雪はほら 流れてそして生まれ変わっていける・・
俺はこのまま変われない。一生。絶対に
(乱暴な台詞の割りにぼんやりした目つきのエンヴィ
ロイ いきなりエンヴィの腕をつかんで振り向かせ
そのまま キスをする
ロイ: エンヴィの指から水滴が落ちて床にこぼれる
エンヴィ:い・・いたっ(突然なのでおどろく
エンヴィ:なにするんだ(いきなりのキスに驚いて
ロイの抱擁を振りほどく
文句をいようとしたエンヴィはロイの険しい目つきに
驚いて口をつぐむ
ロイ:エンヴィの肩を掴んで振り向かせ視線を合わせて
噛み付くように
ロイ:私はお前にそんな 弱気なことを言って欲しくない
エンヴィ:なっなんだと
ロイ:いつものように傲慢でしなやかで人を人とも思わないような
私は そんなお前が好きだ
抱きしめるロイ
抱きしめ返すエンヴィ
ロイ:あまり私を不安にさせないでくれ
ため息をついてロイ
ロイ:お前は私のところにおとなしくいればいい
目を光らせるエンヴィ
エンヴィ: 俺は・・お前の愛玩品かよ!
お前までそんなことを言うな!・・
エンヴィ:そのやさしさが俺は嫌いだ
激しく低く叫んでロイの抱擁をほどこうとするエンヴィ
エンヴィ:離せ
ロイ:嫌だ
きっぱりといい力を込めて抱きしめるロイ
暴れるエンヴィの指がざっくりロイの顔に
2本の赤い筋をつくる
軽く眉をしかめるがあえて叱らないロイ
にじみ出る赤い血がエンヴィの顔にたれてようやく
エンヴィは、はっときがつく
エンヴィ: ・・ごめん!(はっとしてあやまり
ロイの顔に指をつけるエンヴィ
ロイ: お前を傷つけてしまったようだ
謝ろう すまない
ロイ:・・言い訳のようになるかもしれないが
ロイ:余計な言葉で飾らなくても私の一番大切なのは
ここにいる お前だ
ロイ:それに
エンヴィ:それに?初めて振り返ってロイを見るエンヴィ
ロイ:今日はクリスマスだろ(軽く笑うロイ
恋人を泣かせるのはよくないだろう
ロイ:逃げないでくれよ エンヴィ
聞こえないようにこっそりつぶやくロイ
エンヴィ:馬鹿じゃないのかお前・・
声には気がつかないのか
ロイの暖かい腕からもぞもぞ逃げようとするエンヴィ
ロイ:痛い
腕の傷に触れて思わず声がでるロイ
エンヴィ:・・ごめん・・
しょげるエンヴィををみて
ちょっと笑うロイ
唇を重ねる二人を白い雪が包んだ
[ なりきり3:1・2 ]
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