「なあ エドお前
嫉妬したことあるか」

俺はベンチに座ってなんとなく聞いてみる

「おれ?」
「そう」
「嫉妬ってたとえば?」
「んーそうだなあ たとえば身近なあいつが
羨ましくて仕方なくなるとか
自分で精一杯やっているつもりでも
届かなくて胸がこうイライラするとか
・・そんなとこだな」

俺は説明しつつなにいってんだとおもう
逆に説明を聞くエドは真剣な顔になる

「おれは そうだなあ」

「ないようなあるような」
エドは缶を持っていない義手でぼりぼりと
頭をかいた

缶を唇に当てたまま俺の頭の上を照らしている
明るい光を眺める
ぼんやりはしているように見えるがよくみれば
唇が引き締まって舌の中で言葉を吟味しているのが
わかる


「俺は大佐みたいに頭もよくないし
リザさんみたいにやさしくもなれねーし
少尉みたいに安定して強くない」

「・・安定?俺が?」

「ああ 大佐といるときの少尉は本当に安心していてそして強いぜ」

意外な言葉に不意を突かれて沈黙する俺
本当に意外な言葉だったが じわじわと笑がこみ上げてきた

「それに 皆いろいろ努力してるじゃん
努力をしたから今の場所があるわけで・・

嫉妬するのもそれも 自分のうちかなーって思うし
おれも時々手に届かないことが多すぎて焼いてることあるんだぜ?」

ジュースを照れたように見ながらいうエド
「届かないっていうと身長か?」
俺はいつものようにからかう
「ひでぇな もう」
明るく笑うエド

「俺はそうやって生きてきた
皆を尊敬しているから
結局 嫉妬は・・してないかなぁ。」
そして照れたように一言小声で

「俺はそんな皆のことが好きだし」
と呟くエド

「本当にそうだな」
俺はいつの間にか声を出して笑っていた

今までうじうじと考えていたのが馬鹿馬鹿しかった
 「(・・きっと一番強いのは 大将お前だぜ)」

軽くエドの頭を小突いて 結局つけなかった
タバコをちょっと考えてポケットに突っ込む

そう 俺は俺のできることをやればいい
そして 大佐のバックアップは心地よかった
水がたまれば抜けばいい
ただそれだけだったんだ

振られたことへの未練もすっぱり切れている
自分にお人よしなんだよ とちょっといってやりたかった

「なんだよ」

と笑い出した俺を不満そうに見つめながら
唇を尖らせるエドをみて
俺は ある音を聞きつけ にやりとわらった

「でもやっぱり少しまだ腹が立ってんな」
「え?なんだって?少尉」
聞き取れなかったらしく聞き返してきた
エドにがばっとだきついてみた

なっ・・声にならないエド
手足を無駄に振り回して暴れている
心地よい柔らかい感触を俺は1分ほど
楽しむ

同時に

「鋼の!ハボック!いつまであそんでいるつもりだ」

という大佐の声とともに喫煙室の扉が開け放れた

『(エドロイが声を合わせて)・・・あ。』

爆発炎上した喫煙室は 数時間使用禁止に

なぜか俺は
数週間の出入り禁止になって苦労したのは
ナイショだ。
んじゃまたな。

[ Smoking room:・2 ]




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