晴れた空にそよ風

ハボックが珍しく ハヤテ号の散歩をしている
昨日降った雨もやみ、朝の散歩としては最適だろう

私はこれから仕事の整理で忙しくなるの 明日よかったらお願い
美人のリざ中尉に見つめられたときは何かと思ったのにな
舌打ちするハボック
綱の先でうれしそうにすたすた歩くハヤテ号
何も律儀に 綱に繋げなくてもいいのにな とぼやくハボック
リザ中尉としては 軍の犬としてのけじめとして
散歩では必ず綱をつけて歩いているらしい
いい男の俺がこんなことを とほほほ と
これも手渡されたふん用のビニール袋を片手に持って嘆くハボック

朝もやの中を歩くハボック。歩いているうちに軽く汗ばみ
さやさやと吹く風が心地よく前髪をなでていく
意外とちょっとした散歩で
いいかもしれねぇな とつぶやいていると
霧の向こうから軽い足音がして明るい金髪と赤い上着が見えた

おっ ハボックさんじゃん どうしたんだ?
という声の先には思った通りエドが立っていた
思わぬところで会ったので思わず顔がほころぶハボック
エドも足に絡みつくハヤテ号の頭をなでながら
そっちこそ めずらしい散歩かよ?
と思わぬ出会いに顔がほころんでいる。
そのまま よーしと 勢いを付けて尻尾をしきりに
振っているハヤテ号犬を抱き上げる喜びようにハボックは笑いながら
こらこら 抱き癖がつくから おろしとけと声をかけ
へいへいといっておろすエド

これからまだ散歩か?
いや 思いついてふらっとでてきただけだからさ
これからかえろうかと思って

という挨拶からふっと思いついてハボック
そうだ エド こいつの綱をもってみるか?
うれしそうにぱああっと笑顔になるエド
いいのか?!

本当にうれしそうに綱をそっと持つエド
振り返って尻尾を千切れそうになるくらい振って歓迎するハヤテ号

そのまま静かに朝のさんぽが続いた
いつの間にか 昨晩雨が降り続いた川べりにつく
突然うなり声を上げて駆け出すハヤテ

なっ どうしたんだ?!おい
もっていかれるエド

おーい おまえらはやいぞ 突然のダッシュにハボックもあわてて追いつく

すると川岸に打ち上げられた
黒猫の死体を見つける
右前足と左足がなくなっている以外は舌をちょっと出して
寝ているような健やかな顔つきだ


[ 晴れた空にそよ風:1・ ]




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