晴れた空にそよ風

無残だな・・というハボック
しきりににおいをかごうとするハヤテを 待てをかけて
ハヤテを抱き上げる
エドの顔を何気なく見上げると
無表情に猫の死体を見つめるエドの顔があった
あまりに 何もない仮面のような顔をみてなぜかぞっとする
ハボックよしエド こいつを埋葬してやるろう
声をかけて ぽんと エドの肩を叩くハボック
目が覚めたように はっとするエド
わかったというと そのまま不器用そうなしぐさで
大事そうに腕に抱える
腕や首がぐんにゃりとした感触でエドの胸にもたれかかる
不明な液がべったりと
身体についたが嫌な顔ひとつしないで
黙ってぐっしょり濡れた猫の頭をなでるエド

こいつ 苦しまなかったかな・・
つぶやくエド
お世辞にも舌のはみ出た猫はきれいとは言えず
条件反射のように顔をしかめてしまうハボック
まるでハボックの顔を見透かしたかのように
俺は、こういうのなれてるから
というエド
ハッとするハボック
すまんと思わず言う
何を謝ってんだよとゆるい口調でいうエド

視線をハボックと合わさないまま辺りを見回す

ここは整備されていて木の下にも埋めてやれないな
またつぶやくと エドは猫を抱えたまますたすたと元着た道を歩き出す

軍の運動場の空いたところに埋めてやっていいかな

後ろをついていきながらハボック

わかった だがそのまま猫を持って帰ったらめだつだろ
ハヤテもうるさいし
というと ああわかった というと
緩慢な動作で 猫の遺体を一回おろして
自分の上着を脱いで優しくまきつけ
また抱える

川岸を黙って歩くエド
ハヤテ号が前を勢いよく歩き
ハボックは無言で帰還
何度か話しかけようかと思うがエドの上着を脱いだ背中が
拒絶しているようで話しかけれない
たかが猫なのにというもどかしい思いと
やっぱりいろいろな体験をしても子供
という思いがハボックの胸を動かす


[ 晴れた空にそよ風:・2・ ]




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